10分で分かるアジア通貨危機

なんとなく聞いたこともあるかもしれませんが、アジア通貨危機についてみなさんにも理解してほしいので以下わかりやすくまとめてみました。

以下目次です。

 アジア通貨危機とは

https://ja.wikipedia.org/wiki/アジア通貨危機より引用

アジア通貨危機(アジアつうかきき、英語: Asian Financial Crisis)とは、1997年7月よりタイを中心に始まった、アジア各国の急激な通貨下落(減価)現象である。

急激な通貨下落の影響。

海外調達品の高騰。また多くのタイ国内の企業や銀行がドル建てで負債を抱えており、負債を返せず、破産が相次きました。

 

3つの時代の背景と暴落までの流れ

①日本とのつながり

1985年のプラザ合意の急激なドル高を経験。その後バブルによる日本国内の人件費の高騰を受けて、製造業の海外進出が相次ぎました。特に政治が比較的安定しており、人件費が安いタイは自動車メーカーをはじめとして企業が進出していきました。

②金融緩和とドルベック制の採用

1993年からオフシェア市場をタイは作りました。オフシェア市場とは海外から投資を呼び込むための税制に優遇される市場です。さらにドルペック制(固定相場制)を採用しており、さらにタイの金利約12%と非常に高く、タイに世界中からお金が集まりだしたのです。

③通信技術の発達、ヘッジファンドの隆興

今では当たり前となっているインターネットを通じた国際市場の取引の黎明期でした。特にITバブルを背景にヘッジファンドという大規模なお金で短期的に利益を出す業種が興隆してきたのです。

そして暴落へ

1990年前半~1995年にかけてはタイは成長率8%を維持していました。しかし中国の台頭またインフレにともなう人件費の高騰を受けて、1996年には成長率6%に下落してしまいました。そこでヘッジファンドは大規模な空売りを仕掛けました。というのは1995年以降アメリカがドル高政策をとったにも関わらずタイが固定相場制をとっており、タイの通貨価格が実態経済に即しておらず、将来値下がりするだろうと考えたからです。

 その後の影響

 韓国、インドネシアにも同様の問題が発給しました。日本では多くの銀行の融資の焦げ付きが発生しました。また投資家は新興国市場の投資リスクを改めて体験することになりました。

 2005年にはチェンマイイニシアシブが通貨危機の再発防止として締結されました。そこでは東南アジア+日中韓がアジア地域で同じような通貨危機の際に、東アジア地域で通貨を融通し合う仕組みが構築されました。

  最後に

調べるとヘッジファンドが悪者のようにも見えますが、ヘッジファンド側からすれば、タイバーツ高のバブルの歪みを正す市場原理そのものの動きであり、法律違反をしておらずルールに則った行動とも言えます。

ただし、イギリス通貨危機、アジア通貨危機、リーマンショック等、ヘッジファンドの投機、投資政策が実態経済が振り回されるのは納得できない部分があるという見方もできます。